「きっと全部、俺の独り善がりのわがままで勝手な思い込みなのかもな…きっと…でなければ、彼女の事が気になるのに、両親の事も心配なのに、意志と反対に俺はこうやって逃げ出してしまったんだからな」 自虐的な調子で言う。 「軽蔑しただろう。帰りたくなったんじゃないか」 チラッと俺の方を向く先輩はまるで生気が無くなっている。 「…先輩はなぜDVDに出ようとしたんすか?」 「金のために決っている。毎月両親と彼女に幾漠か送金している。少しでも多く渡そうと。それに俺自身にも会社の為に借りた金もある。だから告白しちまうと、ウリもやっている。ははっ…こんなおじさんでもおかげさんで時々声が掛かる。その為にシャワー付いている部屋にした」 自嘲気味に笑う。 「ウリ専にまで…」 職業に貴賤はないが、そうしなければならないと思い詰めさせたのは結局俺だ… 見つかったあの時、俺らの方が逃げればよかったんだ。なぜ逃げなかったんだろう…先輩が好きだったからか…結局俺の欲望のために… いくら先輩の本質だったとしても、道は変わっていたかもしれない。 「先輩…すいませんっ!!」 ベッドから起き上がり下りると先輩の前で土下座した。 「俺があの時あんなことしなければっ…!」 「いいんだ…正人は悪くない。遅かれ早かれ一緒だったと思う。ただ彼女に悪いと思うだけだ」 先輩はしゃがみ込み、俺の両方の耳辺りに手をはさみ顔を上げさせた。 「初体験が正人たちでよかった」 「先輩…?」 「都会なら他に幾つもあるのに、なぜ東京に来たかわかるか?」 「えっ?あっ…!」 「逢えないにしても近くにいたかった。本当に好きな奴、愛する事ができる奴の…」 「先輩…!!!」 口が塞がる。
「ありがとうな…本当に…正人…」 唇が離れた口から漏れた。 「先輩…?!」 「逢えてよかったよ…正人の気持ちもきちんと聞けて俺も言えて…東京に出てきた甲斐があった…」 「先輩!」 俺は立ち上がった。 「うっ…?!」 「また逃げようとするんですか?!」 「えっ?!」 「俺から…いや…先輩、自分自身から!」 「正人…」 「もう逃げないで下さい…お願いですから…」 「しかし…」 「幸せと思わなくてもいいですから俺と一緒にいて下さい!」 言っている事が目茶苦茶だ。 「俺にも一緒にその先輩の重荷を背負わせて下さい!お願いします!…俺も愛しているんです…先輩…大河原剛志の事を…」 「正人…」 先輩はギュッと抱き締めてくれた。 俺はいつまでも抱いていて欲しいと思った。
ケータイサイト ★最強NAVI★
FC2 Blog Ranking おもしろかった楽しめたと感じましたら、励みになりますので投票をお願いいたします。
テーマ:同性愛、ホモ、レズ、バイセクシャル - ジャンル:アダルト
|